「学校生活は…良いものではなかったです。勉強しか知らず、流行り物に疎い僕はすぐさまイジメの標的にされました…毎日物が消え、壊されて…」
「…高田君…」
「一番酷かったのは、複数人に押さえ込まれて生きた虫を口へ放り込まれたときですかね…それ以来、虫を見ると吐き気が止まらなくなるんです」
そこまで言って、高田君は視線を下げた。
「…もう、分かったでしょう?僕は気づいたんです。無理して食べて、地獄に戻るくらいなら…いっそこのまま楽に…」
うつむく高田君に、轟君が唇を噛み締めた。
私はたまらずに声を出す。
「そんなの…苦しくても死んじゃダメだよ…!ほら…家族…!家族がいるんでしょう?高田君がいなくなったら悲しむよ…!」
私の言葉に、高田君が困った顔で笑った。
「…僕、家族からはもう見放されているんですよ。受験に失敗した、あの日から…腫れ物扱いの透明人間です」
…ダメだ。
高田君は、もう諦めようとしている。
そんなの、絶対にダメだよ…!
私はなおも言葉をかけた。



