「彩お姉ちゃん、一緒に食べましょう」
真彩ちゃんが声をかけてくれる。
どうやら私が選ぶのを待っていてくれたらしい。
___いただきます。
真彩ちゃんと二人、手を合わせて挨拶をする。
いつの間にか食事前の所作がすっかり恒例になってしまった。
そういえば…毎食手を合わせるのって久しぶりかも。
ここに来てからではなく、来る前の食事を思い出す。
私も小学生のころはよくしていた気がするけど…中学に入ってからは“いただきます”を言うことはおろか、何も言わず食べることも多かった。
特に朝ご飯とか、急いでいるとき。
そこまで考えて、ふと思った。
………。
……朝ご飯、か。
「…今朝の…お母さんの朝ご飯、なんだったんだろう…」
「ふぇ?」
ホットケーキを頬張っていた真彩ちゃんが首を傾げた。
私は「あ、いや」と取り繕う。
「なんでもないよ」
そう言ってカレーライスを手ですくい、口に運ぶ。
そのとき、高田君の大きな声が聞こえた。



