ここから逃げたい。
まだ死にたくない。
何も食べたくない。
___もういやなんだよ。
___はやくかえりたいんだよ。
___かえらせてくれよ。
___なんでおれがこんなとこに。
湯木君の言葉が頭の中をぐるぐると巡る。
___はやくかえって、いえにかえって。
家に、帰って、そしたら私は___。
「井原、どうした?」
轟君の声がして、ハッと我に返る。
「え…?あ………え、と………」
「…大丈夫…じゃないよな、こんな状況で。悪い」
頭を下げる轟君に首を振った。
「ううん、大丈夫!私はまだ大丈夫だよ」
ニコリと笑って、なるべく明るく振る舞う。
そうして気を緩めれば泣いてしまいそうな感情を無理矢理に抑え込んだ。
不安なのは私だけじゃないんだから、耐えなきゃダメだ。
「…彩お姉ちゃん…?」
手を繋いだままの真彩ちゃんが、私を見上げる。
腫らした瞳が不安げに私の顔を映した。



