「愛梨はこれ、何かのテレビ撮影だと思うんだぁ…ほら、バラエティ番組のドッキリとか?」
ぱちん、と音が鳴るようなウィンクをしながら愛梨ちゃんが続ける。
「この考えが正しかったら、そろそろ“次”の仕掛けがくると思うんだよね~」
…次の仕掛け…?
それってなんのことですか___。
そう言いかけたとき、部屋の上空からノイズ交じりの音がした。
ピーーー…ガガガ………
「な、なに?この音…!」
「あのスピーカーじゃね?」
パーカーの男の子が指差した方向には、天井近くに取り付けられた黄色いスピーカー。
その場の全員が見つめる中、スピーカーから誰かの声が流れだした。
『皆様、本日はお集まりいただきありがとうございます』
声を変えているのか、聞こえてきたのは機械のような淡々とした音声だった。
『ただいまより、“フード・デスゲーム”を開催いたします』
飛び込んできた聞き慣れない言葉…。
フード・デスゲーム…?



