「ひどいよ、こんなの……!」
なんで私達が、こんなことに巻き込まれなきゃいけないの___?
近くで泣き続ける真彩ちゃんを力いっぱい抱き締めながら涙を流す。
ガンッと衝撃音が聞こえた。
轟君が苛立ちを隠せない様子で壁を蹴りつけている。
高田君は、まだ心臓マッサージをしていた。
でも、もう無駄だと分かっていたのか、その瞳はうつろに揺らいでいる。
愛梨ちゃんがふらふらと立ち上がり、高田君に近づき話し掛けた。
「…もう、やめよう……やめて……」
愛梨ちゃんの両手が高田君の両手に重なる。
そこでようやく、湯木君への心臓マッサージが終わった。
高田君がピクリとも動かない湯木君を見る。
口から泡が出たままだった湯木君の口元。
高田君はそれを、服の袖口で拭ってあげていた。
『皆様、次の部屋へ移動を始めてください。これは一度目の警告です』
スピーカーから急かすように音声が流れる。
警告が響いても、私達は湯木君のそばに居続けた。



