フード・デスゲーム




***


それから数十分が経ったと思う。

「井原って大人しそうなのにけっこう芯があるよなー、怒らせたら怖いってよく言われんじゃね?」


「ほら、見てみ真彩ー、これは俺の動物フォルダの中でも一番オススメのやつで…」


「ステラガールズ、早乙女 愛梨に独占インタビュー!なぁ、聞きたいことあったんだけどさー」


「眼鏡くんの眼鏡いただきー!ねぇねぇ、俺けっこう似合うくね?」


「ほら、轟ぃー!笑えってば!かたいなぁー」


湯木君はこれが最後だと言わんばかりに、私達にスマホを向けて絡んでいた。

彼が元気に見えるのは、まだキノコの毒が回っていないから?

それとも………。

ほのかな期待が胸をしめていく。

あのキノコに、毒性はなかったのかもしれない。

そんな淡い期待。

もし、この期待が間違ってなければ湯木君は。

皆の顔に笑顔が戻っていく。

湯木君は…助かる、かもしれない。

私が…いや、私達全員がそう思っていたとき。

湯木君の様子が、徐々におかしくなっていった。