フード・デスゲーム


見上げると、そこにいたのは轟君だった。


「…それ、貸して」


そう言って私の持つ皿を指差す轟君。

なんだろう…?

不思議に思いながら轟君に皿を渡す。

轟君は皿を受け取ると、私の横に座り黙々とレタスを食べ始めた。


「と、轟君…お腹が膨れちゃうよ」


「平気。まだ余裕あるから」


「で…でも、悪いよ」


戸惑いながら口にした気持ち。

轟君の視線が、私へと向いた。

…綺麗な目。

吸い込まれそう、なんて思っていたら…轟君が口を開いた。


「…やっぱり、似てるな」


「…え?」


私は轟君の目を見つめ返す。

___誰に?

そう尋ねると、轟君の瞳が優しく細められた。


「俺の___兄貴」


それだけポツリと呟いたきり、轟君は視線を逸らしてレタスにかじりつく。

少なくなっていくレタスを眺めながら、ぽけーっとした頭で考える。

私が、轟君のお兄さんに似てる…?

もう少しだけ詳しく聞いてみたかった。

だけど。

それ以降、轟君が私と視線を合わせてはくれることはなかった。