残念…悔しいなぁ。
だけどあれはもう、愛梨ちゃんのポイントだ。
がくりと肩を落とす私の顔を、真彩ちゃんが心配そうに覗き込む。
「彩お姉ちゃん、えっと…私のと交換しますか?」
真彩ちゃんが持っている皿を私に差し出した。
その上にはグラスに入った緑色の液体。
淡い黄緑色で、ほのかにお茶のような香りがする。
「これは…抹茶かな?」
「はい、たぶんそうだと思います」
真彩ちゃんが微笑む。
これが甘い抹茶なら、真彩ちゃんも飲めるかもしれない。
私は笑いながら首を横に振った。
「ありがとう、でも気持ちだけもらっておくね」
そして続けざまに言った。
「それと、もし苦い抹茶だったら、遠慮せずに言って?飲むの手伝うよ」
「ありがとうございます、でも苦いお抹茶は飲んだことあるので飲めます!大丈夫です」
「えぇ!?スゴいね真彩ちゃん!」
二人で話していると視線を感じた。
轟君が私達を…いや、私を静かに見つめている。
「………?」
なにか、私に言いたいことがあったのかな?
そう思って轟君に声をかけようとしたとき、長峰君の声が聞こえた。
悔しそうな声。



