夕焼けに染まる空。
カフェのオシャレなランチ。
道端で寝転がる猫。
どれもいきいきとしていて素敵な写真だ。
「湯木君は動画配信者…だったよね。写真も得意なんだ」
私の言葉に「まぁね」と応じながら、湯木君はスマホをいじる。
「死んだ親父がカメラ好きでさ、それで俺も勉強したんだよねー…まあ、ウソ親の方からは止めろって言われたんだけど」
「ウソ…親?」
「親父の再婚相手のおばさん。俺のこと嫌いみたいで、何するにも否定的なんだよなー」
___動画配信も煙たがってるし。
ポツリと呟いた湯木君の横顔は少し寂しそうだった。
「…将来…というか、今後を心配しているという見方もできますよ」
気まずそうな高田君の気遣いに湯木君がへらりと笑う。
「そうだといーけどねぇ…あ、これとかも上手く撮れたんだよねー、ほら…」
それから制限時間が来るまで、私たちは湯木君の写真を見せてもらっていた。



