「あの…彩お姉ちゃん」
長峰君と愛梨ちゃんを眺めていると、真彩ちゃんに声をかけられた。
「どうしたの?真彩ちゃん」
しゃがんで視線を合わせながら聞く。
真彩ちゃんは近くにいた湯木君を指で指し示しながら、キラキラとした目で話し始めた。
「ひろお兄ちゃんのお写真、もう見ましたか?景色とか食べ物とか…猫ちゃんとかすごく上手に撮られているんです…!」
「え…湯木君の撮った写真?」
首を傾げる私の手を、真彩ちゃんの小さな手が取る。
連れていかれたのは湯木君の元だった。
その隣には高田君もいて、どうやら湯木君からスマホを見せてもらっているようだ。
「ひろお兄ちゃん、彩お姉ちゃんにもさっきのお写真を見せてあげて下さい!」
「んー?いーよいーよ…ほらどうぞー」
湯木君がスマホの画面を私へ向ける。
カメラ機能の中、そこにはたくさんの写真が保存されていた。



