「え~、じゃあもうこれしかなくない?」


選択肢が絞られてきた中、愛梨ちゃんがイカスミパスタを手にした。

残ったのは正体の分からない二つの皿。

ティーカップに入った液体と、粉のどちらか。

さすがに躊躇したのか、長峰君の隙をついた轟君が液体の入った方を選んだ。


「うわ、こっちか……」


顔を引きつらせた長峰君が、渋々といった様子で粉が盛られたティーカップの皿を手にする。

これで全員に皿が行き渡った。

各々が自分の選んだ食べ物を口にする。

私も手を合わせてからペットボトルの蓋を開けた。

コーヒーは飲めるけど、お腹がたぽたぽになりそう…。

でも飲まなきゃ。

最初の脱落者になってしまうのは嫌だった。

意を決して飲み進めていると、轟君がティーカップの液体を一気飲みしているのが見える。

あの中身はなんだったんだろう…?

気になって轟君を見ていると、視線が重なった。