『クローシュのロックを解除致します』


その言葉を合図にクローシュの中身が現れる。

今回は………。

一人前の量が盛られたイカスミパスタ。

手のひらサイズのブラックチョコレートが5つ。

ペットボトルに入ったコーヒー。

3つの結ばれた昆布。

小鉢に入った黒豆。

ティーカップに並々入った黒い液体と…。

同じくティーカップに盛られた黒い粉…。


色のせいなのか、あまり食欲はそそらないラインナップだ。

ちらりと皿に添えられた紙を見る。

イカスミパスタとチョコレート、謎の液体と粉の四種類が5ポイントだった。

それ以外は全て3ポイント。


『今回の制限時間は45分です』


スピーカーの音声が終わり、全員でテーブルに近づく。

「どうしよう…」


どれを選ぶべきか悩んでいると、高田君が真っ先に手を伸ばした。


「お先に」


そう言ってチョコレートの乗った皿を手に取る。

私も早く取らなきゃ___。

咄嗟に手を伸ばしたのはコーヒーが入ったペットボトルだった。


「これにします…!」


「んじゃ俺はコレもーらい!」


横にいた真彩ちゃんも黒豆の皿を手に取り、続けざまに湯木君も昆布の皿を選び取る。