すごい…愛梨ちゃん、策士だ。

これで彼女は苦手な物を回避した上、お腹もあまり膨らませることもなく…更にポイントもゲットできる。

それに…それらは全て長峰君が自分から申し出たことで、愛梨ちゃんが強要したことじゃない。


「おー…好感度も下げずにゲームに勝とうとしてるなぁー、ありゃスゲーわ…さすが現役アイドル」


湯木君が感心したように呟く。

愛梨ちゃんに褒められてすっかり浮かれた様子の長峰君は、凄まじい勢いで焼き餅二個と白米を平らげていた。

そして、もっといいところを見せたかったのか…苦戦していた真彩ちゃんに近寄った。


「よければその食パン、一枚俺が食べるよ」


そう言って真彩ちゃんに譲ってもらった食パン一枚も、胃袋へ収めていく長峰君。

確かにすごい。

すごいけど…。

あんなに食べてこの後のゲームは大丈夫なのかな…?


「あの調子だと最初の脱落者は決まりかなー?」


ニヤニヤと笑う湯木君に私は苦笑を浮かべた。