フード・デスゲーム


指先で粉を一つまみして口に運んでみる。


「っ…甘い…?」


口内に広がる甘さ。

この粉の正体は“砂糖”だったらしい。

じゃあ…もう一つの粉はもしかして…。


「ゲホッ…無理!しょっぱすぎ!」


べーっと湯木君が舌を出して眉をひそめる。

やっぱり、もう一つは“塩”みたいだ。

とてもじゃないけど、これは…単体で食べられる物じゃない…。

私は皿をテーブルの上に置いた。


「俺も無理ぃー」


湯木君もティーカップが乗った皿をテーブルに置こうとしたけど、近くにいた長峰君がそれを止める。


「なあ、湯木!それ塩だったんだろ?ちょっとだけ分けてくれないか?白米だけってキツくてさ」


「あー、まぁ別に俺はいいけど…他のやつに分けるとかルール的にいいわけ?」


___なぁ、どうなのスタッフの人ー。

湯木君が辺りを見回しながら尋ねる。

それに応えるように、スピーカーから音声が流れた。