「んじゃ次は眼鏡くんいってみよーか?」
「誰が“眼鏡くん”ですか…高田 瑠衣、歳は18です」
「ん?それだけ?つまんなくね?」
湯木君の言葉に眼鏡を光らせながら、高田君が応じる。
「自己紹介なんてそんなものでしょう…それで、次は誰が?」
その言葉に「はい」と手を挙げたのはランドセルの女の子だった。
「…えっと…あ、あの…」
…赤い顔にたどたどしい声。
すごく緊張しているみたい。
仕方ないよね、年上の…ほぼ全員の視線が彼女に集中しているんだから。
女の子は少しだけもじもじとしてためらったあと、覚悟を決めたようにハッキリとした口調で自己紹介を始めてくれた。
「えっと…小上 真彩です。楓小学校の四年生で、歳は10歳で…卵焼きが好きです、よ、よろしくお願いします…!」
ぺこりと頭を下げる真彩ちゃんに、全員から拍手が送られる。
「きゃあ~、可愛い~♡」
「頑張ったね!すごく上手だったよ」
愛梨ちゃんと私が褒めると、真彩ちゃんは嬉しそうに「えへへ…」とはにかんだ。



