フード・デスゲーム


次の日。

担当の先生の話を、両親と聞いた。


「きっと、行方不明になっていた間に怖い思いをしたのでしょう、今はまだ保護されたばかりで錯乱しているのかもしれません」


「……錯乱…?」


私の説明したデスゲームのことは、誰も信じてくれなかった。


「大丈夫、落ち着きを取り戻したらすぐに帰れるからね」


先生が笑う。

そして、しばらく病院で安静にした方がいいと診断が下った。


「…分かり、ました……」


泣きたい気分のまま頷いたのは、ここで何を言ってもまともに聞いてくれそうになかったから。

入院生活をして最初の数日は、それこそ何度も夢にデスゲームでの光景が広がってよく眠れずにいた。

夢の中で長峰君が、湯木君が、高田君が、愛梨ちゃんが、真彩ちゃんが、彩斗君が笑っている。

なのに次の瞬間、真彩ちゃん以外の皆が泡のように弾けて、血しぶきを上げ倒れていく。

真彩ちゃんが泣いて、触れようと手を伸ばしたところで目が覚める。

大量の汗。

ドクドクと音を立てる心臓。

そのたび泣き叫びそうになり、歯を食いしばった。

ここで看護師さんを呼んだら、まだ錯乱していると思われる。

早く家に帰りたかったから、必死に我慢した。