『今回の特別ルールは、“毎食、食前に手を合わせていたかどうか”です。そのルールを最後まで守っていたのは井原 彩様、あなただけでした』
スピーカーから流れた特別ルールの内容。
「…は…?…嘘、でしょ……?」
私はそれを聞いて、目を丸くしたままで呟いた。
そんなことで、私は生き残ったの?
“食べる前に手を合わさなかった”。
それだけで…、それだけの差で、私だけが生き延びたの……?
彩斗君は。
彩斗君は死んじゃったのに、私だけ……?
私だけ、生き残った………?
「っ……そんなの、忘れることだってあるでしょう!?」
怒鳴るように叫んだ。
そんなの、私だって。
いつもはしないことの方が多かった。
最初の部屋で真彩ちゃんがしていたから、それにつられてなんとなく続けていただけだ。
最後の、この部屋でだってそう。
この食事が人生最後になるかもしれない…一瞬でもそう思わなければ、していなかったかも。
それだけのことだった。
それだけのことで……!
私は拳を握り締めた。



