フード・デスゲーム


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今日、三日間の間行方不明だった娘の真彩が、学校裏の林で保護されたと警察から連絡があった。

あの日、小学校に出かけたままの服装で、返り血を浴びていたという。

急いで駆けつけ再会した真彩を抱き締めたとき、私の体に安堵が広がった。

真彩がいなくなったのは私のせいだと思っていたからである。

私は自分の弱さから心と体を壊し、近頃は真彩にも辛くあたることが多くなっていた。

母親としてあるまじきことだ。

しかし、良くならない状態に疲弊し、すり切れていく毎日を送る日々の中、ある物を郵便受けの中に見つけた。

消印の無いハガキだ。

“消えてほしい人を書いて郵便受けに入れて待て”

誰かがイタズラで郵便受けに入れたのだろう。

こんなもの、破り捨ててしまえばいい。

だけど、私の心に悪魔が囁いた。

私は筆を取り、真彩の名前を書いてしまった。

なぜそんなことをしたのか、今では分からない。

健気な娘の存在が嫌になったのかもしれない。

本当にバカな母親だった。ごめんなさい。

それから数日後に、真彩は本当に消えてしまった。

すぐにハガキを思い出し、私のせいだと思った。

あれはきっと、何らかの事件、誘拐のための新しい手法だったのだろう。

酷く後悔をして自分を責めた。

でも、真彩は帰ってきてくれた。

弱いお母さんでごめんなさい。

そう言った私に真彩は何も言わずに泣いていた。

何も言わずに、私を抱き締めて泣いていた。

私は変わらなければいけないと強く感じた。

この子のために、強き母親にならなければと思い、今、筆を取っている。

もう二度と、真彩を危険に晒さない。

今度こそ、私があの子の手本となり生きていかねばならない。

真彩はまだ混乱しているのか、落ち着かせるため家に帰ってきてもゲームで人がたくさん死んだと泣いて叫んでいる。

可哀想に、誘拐犯に何を見せられたのだろうか。

目の前で動物を殺されたりしたのかもしれない。

警察によると、真彩の浴びていた返り血は人のものでは無く、動物の血であるということだ。

事件の捜査のためにと真彩が着ていた服をやって来た警察に預けた。

明日、真彩を連れて病院に行こうと思う。

私と同じで、心の病気を患ってしまったのかもしれないと思うと胸が苦しくなる。

親子揃って笑い合える日を願うばかりである。