「え~どうしよう、何にしようかなぁ~」
「あ、あの…最初なんだし、愛梨ちゃん達からどうぞ…!」
愛梨ちゃんのファンだと言っていた短髪の男の子がそう言ってくれて、女子である私達から選ばせてもらうことになった。
「えー、こういうのって早い者勝ちじゃねーの?」
パーカーの男の子が不満そうに唇を尖らせる。
「ん~そうだね、じゃあ、次の部屋では早い者勝ちってことにしよっか?そっちのが展開的にも面白いし!」
「うーん…それなら今回は仕方ねーかぁ。そんじゃあ、はい、選んでいーよー」
愛梨ちゃんの提案にようやく納得したように、パーカーの男の子が頭の後ろで手を組んだ。
「さて、それじゃあ…あなた達から選んでいいよ~愛梨は最後に選ぶから~」
笑顔でこちらに手を振る愛梨ちゃん。
私はランドセルの女の子へ顔を向けた。
「先に選んでいいよ」
女の子は最初こそ遠慮していたけど、その内おずおずと一つの皿を手に取った。
それはバナナが乗った皿。
食べ慣れた物を選んだらしい。



