私と轟君…彩斗君が、互いに手を伸ばす。
クリームまみれの汚れた手を繋いだ。
真彩ちゃんが泣いている。
やめて、やめてと泣きながら、スピーカーに大きく手を振っている。
私は目に涙を浮かべながら、その場に崩れ落ちた。
彩斗君が膝をつき、私を抱き締める。
「ごめん、俺は…守ってやれなかった」
彩斗君の目から大粒の涙があふれた。
「いいの…いいから…私の方こそ、ごめんね…もっと早く決断できてれば…そうしたら、轟君は助かってたよね…?」
私の言葉に、彩斗君が首を振る。
「そんなことない、お前の…彩のせいじゃない」
初めて呼んでくれた名前。
その響きがじんわりと温かく胸に広がっていく。
私は彩斗君に生きててほしいと願っていた。
でも、それと同じくらい。
彩斗君も…私に生きててほしいと願っていた。
「悔しい…悔しいよ…後少しだったのに…!」
「俺も…俺も、悔しい…!」
名前の響きが同じなら、考え方も同じだ。
だからこそ、お互いを守りたかった。



