「わ、私は…どっちにも生きててほしいです…!だから、どっちも食べます!!頑張れますっ…!!」
鼻声で、今にも泣きそうな顔で真彩ちゃんがケーキにかぶりついた。
私も、轟君も同じような顔をしていたと思う。
残り時間はあと、どれくらいだろう。
生きていられる時間は後、どのくらいだろう。
グミを食べ終わる。
ケーキはまだ残っている。
それは轟君の方も同じだった。
頭の片隅で、あることが浮かんだ。
それは、たぶん。
今じゃないと聞けないかもしれないこと。
もう、聞くことができないかもしれないこと。
「___轟君」
気がつけば、次の瞬間には口を開いていた。
轟君が、私へ視線を向ける。
「轟君の名前…聞いてもいい?」
轟君の目が、丸くなる。
数回、まばたきをする瞳がとても綺麗だった。
返事が聞けたのは、その瞳が迷うように左右に揺れた後。
唇が動く。
彩斗___。
その名前に、私は頬を緩めた。
「___私と真彩ちゃんと、お揃いだね」
最後に残ったのが、彩と真彩と彩斗だなんて。
それが面白くて。
なんだか嬉しくて。
そして、愛しかった。



