「ここ数年、親父の会社でおかしな退社が続いてて…兄貴と一緒に調べてみたら、親父と不仲なやつらが揃って行方不明になっていたんだ」
轟君が悲痛な面持ちで言葉を続ける。
「それで数日前…兄貴には“まだ証拠が足りない”って止められたけど、俺は親父と話をした…カマをかけてみたら、それが当たっていて…」
轟君が唇を噛んだ。
「“何か事件や不祥事に関わっているんだろ”…そう言ったら、焦った様子で怒りだした。…核心に迫ったから、俺はここに連れてこられたんだと思う」
「…なんで、そう思うの?ここに連れてこられたのは…ただの偶然かもしれないでしょう…?」
私の言葉に、轟君は悲しそうに瞳を揺らす。
「覚えているか?俺は、送迎用の車に乗るときに、スプレーをかけられて気を失ったんだ」
私はハッとする。
それを見て、轟君は「そうだ」と頷いた。
「その場には運転手もいた。親父と長い付き合いのな…そいつが近づいてきた不審者に声を上げることなく運転席にいたのがいい証拠だろう?」
轟君のお父さんは…轟君がデスゲームに連れていかれると分かっていて、犯人に協力した…?
轟君がゆっくりと私を見つめる。



