フード・デスゲーム


小さく、浅い息を繰り返す。

本当はもう気づいていた。

轟君のペースが遅くなってきていることに。

真彩ちゃんが限界を迎えたことに。

それでも二人が頑張ってくれているのは…。

私の命のためだということにも。

だけど…。


「井原!?何をしてるんだ!?」


私は轟君の選んだケーキを食べ始めた。

ホイップクリームとスポンジを口いっぱいに頬張る。

……うん。

やっぱり、こっちの方がまだ頑張れそう…!


「やめろ、井原!俺のはいいから!」


「あ、彩お姉ちゃん…?」


轟君と真彩ちゃんの視線を感じる。

私は目の前のケーキを見据えたまま言った。


「私の分はもういいから!轟君の分を終わらせよう!」


轟君を勝たせる。

これが私の選んだ答えだった。

その方が体に力と食欲がわく。

そんな気がした。


「轟君、真彩ちゃん、こっちを手伝って!」


「えっ…えっ…?でも…!」


私の皿のケーキと、轟君の皿のケーキを交互に見ながら真彩ちゃんがうろたえる。