ケーキの中から転がったのは、カラフルなクマの形をした何か。
指先で触ってみるとそれは___グミだった。
それもハード系の、少し固めのやつ。
それが、ホールケーキの中心部にこれでもかと詰め込まれている。
「こ……こんなの食べられるわけが…」
私の顔に絶望が広がっていく。
噛む回数が増えれば満腹感もそれだけ増える。
ただでさえ限界が近づいている今、この数を食べきらないといけないなんて……。
「少しずつでいい!手を動かすぞ、井原!!」
轟君の声に振り向く。
「諦めるな!確実に量は減ってる、大丈夫だ!」
「う…うん…!」
轟君の言葉に背中を押された気がした。
そうだ、諦めちゃいけないんだ…!!
グミに手を伸ばし、詰め込めるだけ口に投げ入れて噛む。
ふと、横から小さな手が伸びて、グミをわしづかんだ。
___真彩ちゃんだ。
「お手伝いします…!グミなら小さいから、まだ食べられます!」
そう言って一つずつ、もぐもぐと口を動かして食べている。
それに負けじと私もグミとケーキを交互に食べていく。
ホールケーキはみるみるうちに減っていった。



