だけど、真彩ちゃんは食い下がる。
少しうつむいて、悲しそうに顔を歪めていた。
「で、でも…協力しないと、彩お姉ちゃんと轟お兄ちゃんの分まで食べれません…こんなに大きなケーキ…そしたら、また誰かが……」
「真彩ちゃん……」
そのとき、轟君が口を開いた。
「…小上、それなら一つ、頼みがある」
「は…、はい!なんですか?なんでもします!」
真彩ちゃんがうつむいていた顔をバッと上げる。
そんな真彩ちゃんの姿が健気で、胸が苦しくなる。
お腹いっぱいなのに、無理に口へケーキを頬張って…。
今、スゴく苦しいだろう。
それなのに、少しでも私達の力になろうと必死なんだ。
轟君は優しい声で、真彩ちゃんに言い聞かせるように言葉を選びながら話しかけた。
「少しの間…そうだな、俺と井原がお前のケーキを食べる間だけ、休憩を取っていてくれないか?」
「休憩…ですか?」
轟君の言葉に、真彩ちゃんが首を傾げる。
「ああ、そうだ」
轟君は小さく笑みを浮かべた。
「そうやって交代して休憩を取って食べていこう。それでもし、食べられそうなら無理をしない程度に食べてくれてかまわない。どうだ?できるか?」



