フード・デスゲーム


涙を流したまま、轟君に視線を送る。

彼は悔しそうに首を振って、次の部屋に続くドアへと歩きだした。

背中に乗った真彩ちゃんは、涙をこらえながら轟君の背に顔をうずめている。


「___♪___」


愛梨ちゃんが歌い出す。

それはオリ曲と言っていた、あのバラード曲。

スピーカーから、音声が流れた。


『皆様、次の部屋へ移動を始めてください。これは最後の警告です、従わない場合、強制的に脱落とみなします』


私は、愛梨ちゃんに背を向けて走り出した。

途中、振り返り、愛梨ちゃんに叫ぶ。


「愛梨ちゃんは、ずっと“ステラ”だよ…!!これまでも、これからも、ずっと……!!」


愛梨ちゃんは歌い続ける。

震えた声で、高らかに。


「井原!」


轟君が呼んでいる。

私は次の部屋へと駆けだした。

ドアが開き、私達が入る。

茶色の部屋へのドアは…冷たくなった高田君の遺体と、愛梨ちゃんを残し、閉まっていった。


銃声が聞こえる。


私は耳を塞いでその場に座り込んだ。