「でも、恩返しするはずのファンは…翔太君は愛梨のせいで死んじゃった…愛梨の代わりに毒を食べて、死んじゃったの」
私はふるふると首を振る。
いつの間にか涙が頬をつたっていた。
「瑠衣君もだよ。愛梨が出しゃばらなければ、違う結果になってたかも。中途半端に希望を見せて、結局、愛梨は瑠衣君を助けられなかった」
愛梨ちゃんが横たわる高田君の遺体に近寄った。
その場で座り込み、高田君の頭を優しくなでた。
「愛梨は…ここに残る」
愛梨ちゃんの口からつむがれる言葉。
それは、まるで___遺言だった。
マイクを置いてアイドル人生を終えるように、愛梨ちゃんは今、早乙女愛梨としての人生を終えようとしている。
「もうね、決めたんだ…翔太君のときは覚悟が決まってなくてできなかったけど、高田君がファンになってくれたから鎮魂歌…?何か、歌おうって」
愛梨ちゃんが穏やかな口調で言った。
「高田君に歌った最後の歌…あれね、愛梨がソロデビューしたとき用にって考えてたオリ曲なの」
「あ…愛梨ちゃ……」
声をかけようとする。
愛梨ちゃんは私を振り向かない。



