フード・デスゲーム


その言葉に、私は目を丸くする。


「…っ…早乙女、考えなおしてくれ」


「愛梨お姉ちゃん……?」


轟君と真彩ちゃんも、驚いた様子で愛梨ちゃんを見ている。

私は泣きそうになりながら愛梨ちゃんに訴えた。


「ダメだよ…!愛梨ちゃんも一緒に行こう…!」


愛梨ちゃんは私を見つめて、ふわりと微笑んだ。


「ファンしかいなかったんだ、愛梨には」


そう言って愛梨ちゃんは右腕を天井に向かって上げた。

人差し指を真上の蛍光灯へ向ける。

夕方、見つけた一番星を指しているかのように。


「芸能界にも色々あるけど、愛梨のいた場所は酷くてね。メンバーは現状維持に必死で上を目指してないし、お偉いさんからセクハラは受けるし最悪」


なんで…急にそんなことを……?

これじゃまるで___まるで。


「そんな中でも頑張れたのは、応援してくれる…翔太君や瑠衣君みたいなファンのお陰。いつかファンに恩返ししたくて、その一心で頑張れたの」


愛梨ちゃんの目に涙が浮かぶ。

それが蛍光灯に照らされてキラキラと輝いていた。