フード・デスゲーム


スピーカーから音声が流れる。


『皆様、次の部屋へ移動を始めてください。これは二度目の警告です』


轟君が立ち上がり、私を見た。


「…悪かった、世話をかけたな」


顔色は悪いけど、いつもの轟君だ。

そのことに少しだけ安心を感じる。

彼はそのまま、真彩ちゃんの元へ歩いて「歩けそうか?」と声をかけた。


顔をくしゃくしゃにして、真彩ちゃんが首を横に振った。

この絶望した状況で、立ち上がっただけでもスゴいことだ。


「おぶっていくから、乗ってくれ」


轟君が真彩ちゃんに背中を向けてしゃがみ込んだ。

真彩ちゃんは少しだけためらって、でも最後には轟君の背中に乗った。

しっかり真彩ちゃんを両手で支えて、轟君が再び立ち上がる。

残っているのは…愛梨ちゃんだ。


「愛梨ちゃん…」


私が声をかけると、彼女は小さく口を開いた。


「……最後の部屋には、三人で行って」