フード・デスゲーム


「轟君、次に行かなきゃ…ここで諦めたら、高田君が報われないよ…!長峰君と湯木君も…ここから出て、警察にこのことを一緒に知らせよう?」


それはきっと、大企業の息子である轟君にしかできないことだ。

権力者である彼が話せば、一般人の私達が話すよりもずっと力を持つはず。

私の言葉に、轟君の指がピクリと動く。

光りのない瞳がゆらりと私を映した。


「愛梨ちゃんも…!愛梨ちゃんが死んだら長峰君も高田君も悲しむよ…!あなたは二人の“ステラ”なんでしょう…!?最後まで輝いてよ……!」


愛梨ちゃんが唇を噛み締めた。

ぷっくりとした唇から血が滲んでいた。


「真彩ちゃん、あと一部屋まできたよ…!次の部屋が終われば、お母さんに会えるんだよ…!さぁ立ち上がって、ほら…あと少し、頑張ろう……!」


___お母さんに会える。


その言葉に反応するかのように。

ひっく、ひっくとしゃくり上げる真彩ちゃんが、よろよろとした足取りで立ち上がった。