フード・デスゲーム


ガチャリと音が鳴る。

次の部屋へのドアロックが解除された音。

早くしないと、警告が来てしまう。

だけど、足に力が入らない。

轟君を見た。

座り込んだまま、力なくうつむいている。

愛梨ちゃんを見た。

空中をうつろな目で見つめながら、涙を流してブツブツと何かを呟いている。

真彩ちゃんを見た。

流れる涙と鼻水をそのままに泣き続けている。

皆、皆が、傷ついている。

何か言わなきゃ。

そう思えば思うほど、口が回らない。

それから、私は誰にも何も言えないまま、時間だけが過ぎていった。

そして………。


『皆様、次の部屋へ移動を始めてください。これは一度目の警告です』


スピーカーから音がする。

……このままじゃ、いけない。

私は両足に思い切り力を入れて立ち上がった。

体がよろめく。

なんとか踏ん張りながら、声を絞り出す。


「三人とも…立って…、移動、しよう…!」


誰も、動こうとしない。

でも、声は聞こえているはずだ。

私は一人一人に声をかけ続けた。