「愛梨、が、パフォーマンスなんてしたから…?」
愛梨ちゃんがポツリと呟く。
その視線は定まらない。
大きな瞳が、目まぐるしく右に左に動きだす。
「その時間がなければ、吐いてもまた飲み込めば…そしたら、間に合って、クリアして、生きて……」
ぼろぼろと、開きっぱなしの目から大粒の涙が流れていく。
「生きて、生き、て…また…ファンになってくれたのに…愛梨が、愛梨のせいでし…死んで……!!」
「っ…!違う、違うよ愛梨ちゃん…!愛梨ちゃんのせいじゃないから…!」
パニックになる愛梨ちゃんに、四つんばいになりながら近寄る。
すると、その横から真彩ちゃんの声がした。
「わ、私、が…ちゃんと虫さんを…全部、捕まえてたら……!私のせいで…瑠衣お兄ちゃん、が…!」
「…違う、違うよ…!!違うから…!!」
真彩ちゃんの目から、涙が止めどなく流れて床に落ちていく。
長峰君、湯木君、そして高田君が死んだ。
でもそんなの、ここにいる誰のせいでもない。
悪いのは私達をここに連れてきた人達だ。
だけど。
皆の心がもう限界だった。
私の目からも涙があふれ、必死に両手で拭う。
私まで泣いてたらダメだ。
そうなれば、心が折れてしまうだろう。
そうなったら。
そうなったら、もう、二度と。
誰も、ここから動けなくなりそうで怖かった。



