「我輩はな、特別な眼を持っている」
「特別な眼ですか」
「そうじゃ。悪魔には、力の強い人間が分かるのじゃ。
お主自身が何かの魔法を使ったことはなかったかもしれんが……お主の側にいるものに、影響を与えていたはずじゃ」
その言葉に、鼓動が高鳴る。
「本当ですか?」
私にも、魔力があるのだろうか。
「まったく気づきませんでした。もっと早く気が付ければよかったのでしょうか……」
そうすれば、両親もアンジェラと同じように私を愛してくれただろうか。
いや、今さら考えても意味のないことだ。
「余計なことを言ったかのう?」
私は首を横に振る。
「いいえ、知ることができてよかったです。ありがとうございます、ダンタリアン様」

