すべてのはじまりは、中1の私、優亜が親友…だと思っていた花恋と一緒に登校していた時のこと。
「優亜、知ってる〜?最近ウワサになってる、願いごとがなんでも叶うアプリ〜!」
「そんなのあるんだ。知らないな」
「えっ、知らないの!?まぁ、優亜って流行りにうといし、仕方ないよね〜!」
…ムカッ。
なんど感じたかも分からないほどの怒りを今日も感じた。
私は知っている、花恋が私の彼氏である悠斗と浮気をしていること。
私のことを内心見下していること。
親友だと思っていたのに、彼氏だと思っていたのに…と一時期は意気消沈したものの、最近は花恋と悠斗への復讐方法をこっそり練っていた。
花恋と悠斗に対して抱いていた友情だとか、愛情だとかは、最初からなかったみたいにすっかり消えている。
って…そんなことを考えてたら怒りが増してきた。
コントロール、コントロール。
私は怒りの感情を顔にださないように意識しつつ、口を開く。
「ごめんね、たしかに私は流行りにうといから。それで、そのなんでも願いが叶うアプリって本物なの?」
「さぁ、知らな〜い。でも、アプリ試した人はみんな、『願いが本当に叶った!』とかほざいてたし、本物なんじゃない?」
それを聞き、私はひらめいた。
そうだ…そのアプリが本当に願いを叶えてくれるんだったら、花恋や悠斗に復讐できるんじゃ!!
「そうなんだ…ちなみに、アプリ名はなに?」
感じた希望に心の中でガッツポーズをしてそう聞くと、花恋は案の定、「知らない」答えた。
「えっ…そ、そうなの?」
「うん。なんかさ、ウワサだと本当に願いごとを叶えたい人のスマホに勝手にインストールされてるんだって〜」
「そうなんだ…」
神様お願いします、私にそのアプリを見つけさせてください!
隣では、いつも嫌でも聞かなければいけない、うんざりする花恋の自慢がはじまっていた。
適当に相槌をうちつつ、私はずっと心の中で神様に祈っていた。
– –その祈りは、神様にちゃんと届いていた。
———————–———————–—————–———————–———————–—————–
昼休み、私は1人で非常階段の1番上の段に座ってお弁当を食べていた。
花恋にも悠斗にも、「一緒にお弁当食べよう」と誘われたことはないから、私はいつしか、だれも来ないこの非常階段でお弁当を食べるのが日常となっていた。
そして、運命の時間はやってくる。
お弁当の蓋を開けたとき、ポケットにいれていたスマホが震えた。
それを取りだすと、インストールした覚えのないアプリがはいっていたんだ。
アプリ名は…って、かいてない?
その時、登校時の会話がよみがえった。
『なんかさ、ウワサだと本当に願いごとを叶えたい人のスマホに勝手にインストールされてるんだって〜』
「これが…ウワサの願いごとがなんでも叶うアプリ?」
保証はない、でも私は、なぜか「このアプリは本物だ」って確信していた。
そのままアイコンをタップし、アプリを開く。
表示されたのは、「願いごとをかいてください」という文字と、願いごとをかく場所であろう大きめの枠。
もし願いごとなんて叶わない、インチキなアプリだとしても、私の中には「このアプリを使わない」という選択肢はなかった。
願いごと…花恋と悠斗に対する復讐の内容はすぐに決まり、私は枠の中にそれを入力した。
『星宮花恋と増田悠斗を精神的に追いつめ、最終的には最も苦しむ方法で殺してください』
文字にすると、今までたまっていたモヤモヤや怒りがすーっとひいていく。
枠の下には、“説明と注意事項”というボタンがあったので、それを押した。
すると文字通り、表示されたのは説明と注意事項。
———————–———————–—————–———————–———————–—————–
説明と注意事項
・願いごとは、下にある完了ボタンを押してから30分以内に叶います。
・数日かかる願いごとも叶います
・完了のボタンを押すと、願いごとを取り消したり、変えることはできません
・しかし——
———————–———————–—————–———————–———————–—————–
「あー、めんどくさ。こんなのいいから」
30分以内に願いごとが叶うのは早くていいし、私の願いごとは数日かかりそうだけど、それもいいならべつに問題はない。
私はそのあとの説明を読まず、さっさと下にスクロールして完了ボタンを押した。
“完了しました”
すると、その文字を最後にスマホは真っ暗になってしまった。
「あれ、おかしいな…」
電源ボタンを押したりしても、スマホはうんともすんともいわない。
さっきまで充電はあったハズ。
でも、まぁいいや。
今はスマホどころじゃない、やっと花恋と悠斗に復讐ができるんだ!
神様だって私の味方。
ざまぁみろ、私を舐めるのもいいかげんにしてよ。
「ふふっ…あははははは…っ、うっ!!」
その時、突然呼吸ができなくなった。
必死に息を吸い込んでも焼け石に水。
さらに悪いことに…パニックになった私の体は前のめりになり、階段をものすごい勢いで落ちていった。
– –ゴンッ!!
———————–———————–—————–———————–———————–—————–
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説明と注意事項
・願いごとは、下にある完了ボタンを押してから30分以内に叶います。
・数日かかる願いごとも叶います
・完了のボタンを押すと、願いごとを取り消したり、変えることはできません
・しかし、自分以外の人間の死に関連する願いごとをした場合、人を呪わば穴2つで使用者の命も奪います。
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「優亜、知ってる〜?最近ウワサになってる、願いごとがなんでも叶うアプリ〜!」
「そんなのあるんだ。知らないな」
「えっ、知らないの!?まぁ、優亜って流行りにうといし、仕方ないよね〜!」
…ムカッ。
なんど感じたかも分からないほどの怒りを今日も感じた。
私は知っている、花恋が私の彼氏である悠斗と浮気をしていること。
私のことを内心見下していること。
親友だと思っていたのに、彼氏だと思っていたのに…と一時期は意気消沈したものの、最近は花恋と悠斗への復讐方法をこっそり練っていた。
花恋と悠斗に対して抱いていた友情だとか、愛情だとかは、最初からなかったみたいにすっかり消えている。
って…そんなことを考えてたら怒りが増してきた。
コントロール、コントロール。
私は怒りの感情を顔にださないように意識しつつ、口を開く。
「ごめんね、たしかに私は流行りにうといから。それで、そのなんでも願いが叶うアプリって本物なの?」
「さぁ、知らな〜い。でも、アプリ試した人はみんな、『願いが本当に叶った!』とかほざいてたし、本物なんじゃない?」
それを聞き、私はひらめいた。
そうだ…そのアプリが本当に願いを叶えてくれるんだったら、花恋や悠斗に復讐できるんじゃ!!
「そうなんだ…ちなみに、アプリ名はなに?」
感じた希望に心の中でガッツポーズをしてそう聞くと、花恋は案の定、「知らない」答えた。
「えっ…そ、そうなの?」
「うん。なんかさ、ウワサだと本当に願いごとを叶えたい人のスマホに勝手にインストールされてるんだって〜」
「そうなんだ…」
神様お願いします、私にそのアプリを見つけさせてください!
隣では、いつも嫌でも聞かなければいけない、うんざりする花恋の自慢がはじまっていた。
適当に相槌をうちつつ、私はずっと心の中で神様に祈っていた。
– –その祈りは、神様にちゃんと届いていた。
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昼休み、私は1人で非常階段の1番上の段に座ってお弁当を食べていた。
花恋にも悠斗にも、「一緒にお弁当食べよう」と誘われたことはないから、私はいつしか、だれも来ないこの非常階段でお弁当を食べるのが日常となっていた。
そして、運命の時間はやってくる。
お弁当の蓋を開けたとき、ポケットにいれていたスマホが震えた。
それを取りだすと、インストールした覚えのないアプリがはいっていたんだ。
アプリ名は…って、かいてない?
その時、登校時の会話がよみがえった。
『なんかさ、ウワサだと本当に願いごとを叶えたい人のスマホに勝手にインストールされてるんだって〜』
「これが…ウワサの願いごとがなんでも叶うアプリ?」
保証はない、でも私は、なぜか「このアプリは本物だ」って確信していた。
そのままアイコンをタップし、アプリを開く。
表示されたのは、「願いごとをかいてください」という文字と、願いごとをかく場所であろう大きめの枠。
もし願いごとなんて叶わない、インチキなアプリだとしても、私の中には「このアプリを使わない」という選択肢はなかった。
願いごと…花恋と悠斗に対する復讐の内容はすぐに決まり、私は枠の中にそれを入力した。
『星宮花恋と増田悠斗を精神的に追いつめ、最終的には最も苦しむ方法で殺してください』
文字にすると、今までたまっていたモヤモヤや怒りがすーっとひいていく。
枠の下には、“説明と注意事項”というボタンがあったので、それを押した。
すると文字通り、表示されたのは説明と注意事項。
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説明と注意事項
・願いごとは、下にある完了ボタンを押してから30分以内に叶います。
・数日かかる願いごとも叶います
・完了のボタンを押すと、願いごとを取り消したり、変えることはできません
・しかし——
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「あー、めんどくさ。こんなのいいから」
30分以内に願いごとが叶うのは早くていいし、私の願いごとは数日かかりそうだけど、それもいいならべつに問題はない。
私はそのあとの説明を読まず、さっさと下にスクロールして完了ボタンを押した。
“完了しました”
すると、その文字を最後にスマホは真っ暗になってしまった。
「あれ、おかしいな…」
電源ボタンを押したりしても、スマホはうんともすんともいわない。
さっきまで充電はあったハズ。
でも、まぁいいや。
今はスマホどころじゃない、やっと花恋と悠斗に復讐ができるんだ!
神様だって私の味方。
ざまぁみろ、私を舐めるのもいいかげんにしてよ。
「ふふっ…あははははは…っ、うっ!!」
その時、突然呼吸ができなくなった。
必死に息を吸い込んでも焼け石に水。
さらに悪いことに…パニックになった私の体は前のめりになり、階段をものすごい勢いで落ちていった。
– –ゴンッ!!
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説明と注意事項
・願いごとは、下にある完了ボタンを押してから30分以内に叶います。
・数日かかる願いごとも叶います
・完了のボタンを押すと、願いごとを取り消したり、変えることはできません
・しかし、自分以外の人間の死に関連する願いごとをした場合、人を呪わば穴2つで使用者の命も奪います。
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