人魚と妖精


「人間たちよ、どうか僕の話を聞いておくれ」


にんげんたちとラティーナの前に、妖精が現れたのです。

妖精はラティーナを落ち着かせるように目配せをしたあと、にんげんたちに向かってこう言いました。


「どうか、その無垢な人魚の子を見逃してあげてほしい。その代わりに、僕が捕まろう」


申し出に驚き、たじろぐにんげんたち。

だけどその中でも、ラティーナは特に驚きを隠せずにいました。

妖精は淡々と、静かに語り続けます。


「僕の羽根の美しさを見ておくれ。彼女のウロコの美しさに勝るとも劣らないだろう?僕はきっと、彼女より大金に変わるはずさ」


自らの価値を売ろうとする妖精に、網の下でラティーナが首を振ります。


「ああ、だめよ、ようせいさん…身代わりになんてなろうとしないで…全て私のせいなのよ!」


だけどそんなラティーナには目もくれず、妖精はにんげんたちの目をじぃっと見つめます。

にんげんたちの中で、一番体の大きな男の人が、ずいっと妖精の前に立ちました。