人魚と妖精



「どこ?どこにいるの?」


“あかんぼう”を探すラティーナは、海沿いの浜辺の上にその姿を見つけました。

木が編み込まれたカゴの中に、おぎゃあと元気よく泣いている“あかんぼう”がいます。


「待っていて、今そちらにいくから…」


ラティーナは両腕を器用に使いながら、砂浜の上に跳び乗り、そのままぴょんぴょんと跳ねるように“あかんぼう”に近づきました。

あと少しで、カゴに手が届く___。

そのとき、ラティーナの頭上に大きな網がかけられました。


「きゃあっ!」


網に捕らわれたラティーナ。

それを取り囲むように、物陰から一斉に“なにか”が現れます。

それはまさしく、妖精が恐れていた“にんげん”たちの姿でした。


「やったぞ、人魚を捕まえた!」

「ほら、言った通りだろう!ワナにかかった跡があったんだ!人魚は近くにいただろう!?」

「やったぞ、やった!こいつを売れば、その金で子供たちにたらふく飯を食わせてやれる!」


呆然としながら砂浜に倒れ込むラティーナの視線の先で、“あかんぼう”が女の人に抱えあげられます。