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 放課後は、私と蒼からの交際報告会となってしまった。

「えっ、ふたりも?」
「今日から? 私たちは昨日から付き合い始めたの。すっごい偶然だね」

 直哉と沙里奈は、私たちの嘘をよろこんでくれた。

 直哉が蒼の肩にガシッと腕を回す。

「ついに告ったのか! やったな、おめでとう」
「花凛のほうもおめでとう!」

 沙里奈がふふっと微笑んだ。

「人のこと言えないかもしれないけど、ふたりはどう見たって両想いなのに、なかなかくっつかないから焦れったかったあ」

 それって……

 蒼のほうを向くと、視線がかち合った。

「蒼、まさかと思うけど、私のこと好きだったり……?」
「……花凛のほうこそ、どうなんだよ?」
「わ、私?」

 顔が熱い。
 今度こそ、赤面しているに違いなかった。

「どういうことだ?」
「お互いの気持ちを知らないで付き合い始めたの?」

 直哉と沙里奈はキョトンとしていた。



END