週末、髪を切った。
それだけのことでも、月曜の朝は緊張を覚える。
毛先を揃えた程度のときでさえそうだったのだから、肩甲骨まであったロングを思い切ってミニボブにした今朝はなおさらだ。
でも──
「朋子、ばっさりいったね。すごくいい」
「ホントだ。頭の形がいいから、短いのも似合ってる」
昇降口で遭遇した友人から褒められ、早々にその緊張は解けてしまう。
教室へ向かう足取りは自然と速くなる。
早く見てほしい──
「わっ、紗弥? イメージ変わったな。びっくりした!」
あと数メートルというところで教室から漏れてきた夏輝の声に、私は失速する。
「ストパーかけたの」
照れ笑いが続く。
想像の中では、ちょうど今私がしているはずだった。
「ずっと憧れてて」
紗弥は赤茶色の天パだった。
少なくとも先週金曜までは。
それだけのことでも、月曜の朝は緊張を覚える。
毛先を揃えた程度のときでさえそうだったのだから、肩甲骨まであったロングを思い切ってミニボブにした今朝はなおさらだ。
でも──
「朋子、ばっさりいったね。すごくいい」
「ホントだ。頭の形がいいから、短いのも似合ってる」
昇降口で遭遇した友人から褒められ、早々にその緊張は解けてしまう。
教室へ向かう足取りは自然と速くなる。
早く見てほしい──
「わっ、紗弥? イメージ変わったな。びっくりした!」
あと数メートルというところで教室から漏れてきた夏輝の声に、私は失速する。
「ストパーかけたの」
照れ笑いが続く。
想像の中では、ちょうど今私がしているはずだった。
「ずっと憧れてて」
紗弥は赤茶色の天パだった。
少なくとも先週金曜までは。



