◯つむぎの夢の中
謎の音(…ぎ。…ぎ。)
暗闇の中から不可思議な音がする。
謎の音(…ぎ。…むぎ。)
謎の音は少しずつ大きくなっている。
つむぎ(…ん、何の音?)
謎の音(…むぎ。…むぎ。…つむぎ。)
つむぎ(…!誰がが呼んでる!)
謎の声(つむぎ、つむぎ、聴こえるかつむぎ)
つむぎ(あなたは誰!?)
謎の声(お前には礼を返さねばならんな)
つむぎ(何のこと?)
謎の声(…すぐにわかる。さぁ、目覚めよ)
細く白い指がつむぎの頬を撫でる。そのまま意識は^_^遠のき、真っ暗な闇に覆われる。
◯芥見家つむぎの部屋・朝
雀の鳴く声、朝の日差し。目を覚ますつむぎ。寝ぼけ眼で夢を思い出す。
つむぎ(何だったんだろう、あの夢は…)
つむぎはベッドの横の棚に目をやる。そこには
ペットのボールパイソン(蛇)恋恋の水槽がある。
つむぎ「おはよう。恋恋ちゃん」
笑顔で朝の挨拶をするつむぎ。恋恋は舌をチロチロさせながらつむぎを見つめている。
つむぎは人の良さそうな丸顔で前髪がまっすぐ黒髪ボブの少女。恋恋は白地に黄色の模様が入り、目が赤いアルビノ個体。
つむぎはベッドから起きてパジャマから制服に着替える。黒縁の眼鏡をかけて恋恋に話しかける。
つむぎ「恋恋ちゃん、今日もいい天気だねー。私は高校に行ってくるね」
つむぎをじっと見つめる恋恋。
つむぎ「今日は2週間ぶりのご飯だからね、楽しみに待ってて」
ドアを開けて自室から出ていくつむぎ。
◯芥見家キッチン
階段を駆け降りて、キッチンに入ってくるつむぎ。
つむぎ「おはよー!」
ママ「おはよー」
ママはキッチンで朝食を作っている。
ママはやや茶色がかった長髪を横で緩めに束ねた髪型で、おっとりした柔らかい雰囲気を纏った美人の女性。薄茶色のエプロンをつけている。
ママ「つむぎ、もうすぐご飯できるから、境内の掃き清めをしてるパパを呼んできてもらっていいかしら?」
つむぎ「はーい」
◯芥見蛇神社境内
外に出て父を探すつむぎ。
つむぎ「パパーっ」
浄衣を身にまとい竹箒で境内の掃き清めを行っている父。優しそうな表情で静かに微笑みかけている。
パパ「つむぎ、おはよう」
つむぎ「本日も朝からご苦労様であります!」
パパ「ははっ、今日も元気だな、つむぎ」
つむぎ「ママがご飯できたよって」
パパ「ああ、ありがとう。すぐ行くよ」
つむぎが境内の蛇の石像を見る。
つむぎ「パパのお陰で蛇神様今日も綺麗だね」
パパ「ん?あぁ、今日も一番最初に磨いてるからね。」
キラキラした目で蛇神像を見つめるつむぎを見守る父。
パパ「つむぎは本当に蛇神様が好きなんだな」
つむぎ「蛇神様は綺麗でかっこよくて、凛としてて大好き!」
パパ「そうか、つむぎが蛇神様を好きでいてくれてパパも嬉しいよ」
つむぎ「うん!パパ、私、先にママのところに戻ってるね」
パパ「あぁ、すぐに片付けてパパも戻るとママに伝えてくれ」
つむぎ「はーい」
つむぎは駆け足で家に戻っていく。その背中を優しい微笑みながら見守る父。
パパ(私は代々この蛇神様を祀る神社、芥見蛇神社を守ってきた一族の末裔だ)
◯父の回想
パパ(今の時代に堅苦しい神社の倅に酔狂な女性もいまいとたかを括っていたが、素敵な女性にも出会うことができ、子宝にも恵まれた。娘の名前は『芥見つむぎ』。少し抜けたところはあるが、思いやりがあり、誰からも愛される自慢の娘へと成長した。唯一、びっくりさせられたのは異常なまでの蛇への好奇心。小さい頃からつむぎの遊び場はこの境内。蛇神像にはもちろん興味を持った。その後は私の仕事の手伝いをしたり、蛇神様の石像のスケッチをすることがお気に入りの遊び。野生の蛇に躊躇せずに手を出す気質には肝を冷やされた。)
父苦笑い。
パパ(小学校の高学年くらいの年になり、同級生のペット自慢が羨ましかったようで、ペットが欲しいとせがまれた。犬、猫、ハムスターくらいを想定していたので、蛇を飼いたいと言われた時は驚いたが、つむぎのこれまでの特性を考えれば妙にしっくりきた。蛇は飼育が大変と聞いていたので小学生では無理だろうと思っていたが、大人顔負けの博学ぶりで、見るだけを決め込んでペットショップに連れて行ったのだが、つむぎの話にペットショップの店員がしどろもどろになってしまっていた時の光景は傑作だった。)
父、思い出し笑い。
パパ(妻は元々、おおらかな女性であったため、蛇を買うことにはなんの反対もしなかった。)
回想ママ「つむぎちゃんなら大事に育てられるんじゃないかしら?」
パパ(私もつむぎの熱意と愛情を感じ、蛇を家族として迎え入れることを承諾。つむぎは最初から飼いたい種類があったようで、白地に黄色の模様が美しいボールパイソンという種類のアルビノ個体を選んだ。名前は『恋恋』。つむぎらしい心のこもった命名だ。メスなの?と聞くと多分?との答えだったが。)
父笑う。
パパ(食事や温度管理はとても大変と聞いていたが、つむぎはよく調べ、上手に飼育した。元々、玩具をあまり欲しがらない子ではあったが、恋恋を飼い始めてからはお小遣いはほとんど愛の飼育用品に使っていた。クリスマスのサンタさんへのお願いが冷凍マウス200匹のまとめ買いパックだった時は妻と一緒に腹を抱えて笑ったけ。)
◯芥見蛇神社境内
パパ(ちょっと変わった女の子にはなったものの、いい子に育った。将来が楽しみだ。)
父、蛇神像に視線を移す。
パパ(蛇神様のお力ですか?…なんてね。)
◯芥見家キッチン
父がキッチンの扉を開ける。
つむぎ「パパ遅いよ!私もう学校行くからね!」
パパ「あれ?もう食べ終わっちゃったの?」
目を丸くする父。
ママ「食事は今温め直しましたよ。私も仕事に行って来ますね」
パパ「もうそんな時間?」
ママ「つむぎちゃん、途中まで一緒に行こー♪
」
つむぎ「うん!」
つむぎと母がキッチンから出て行く。
パパ(今日は1人朝ごはんかぁ…。)
残念そうな父。
◯つむぎの学校、1年A組の教室
つむぎが教室に入る。
繭「おっはよー、つむぎ」
金髪の長い髪の毛でだるそうに机に突っ伏しながら挨拶をする親友の高瀬繭。
つむぎ「繭ちゃんおはよー。今日もだるそうだね。」
繭「学校ってダルいとこっしょ!いつも元気なつむぎの燃料を成分分析したいし」
つむぎ「ははっ、何それ?」
楽しそうに笑うつむぎ。
※学校でのシーンをコマ送りで見せる(授業・友人との交流・昼食等)
◯芥見家つむぎの部屋
不満そうな恋恋。
恋恋「つむぎちゃんはいつも『学校』という場所に出かけていく。そのせいで僕はつむぎちゃんと一緒にいられる時間を削られる」
謎の声「汝、好いた女と共にあることを望むか」
驚く恋恋。
恋恋「!」
謎の声「汝、好いた女と共にあることを望むのかと聴いておる」
恋恋「誰!?」
恋恋ちゃんの周囲が黒い亜空間に包まれる。
恋恋「!」
眩い白色の大蛇が現れる。
白い大蛇「わしはこの芥見蛇神社で祀られておる、蛇神じゃ」
恋恋「蛇神さ、ま?」
蛇神「如何にも」
蛇神様は舌をチロチロと出しながら話続ける。
蛇神「汝はつむぎを好いておるのじゃろう?」
恋恋「!」
頬を赤る恋恋。
蛇神「図星じゃろう?」
恋恋「だとしたらなんなのさ!」
ムキになって反論する恋恋。
蛇神「いつの世も蛇と人の恋愛とは難しいものよ…。わしがよく知っておる」
恋恋「蛇神様に何がわかるんだよぅ!」
蛇神「痛い程よく分かっているとも」
遠い目をする蛇神。
蛇神「そこでじゃ。汝にわしの力を貸してやろう」
恋恋「力?」
蛇神「さよう…。」
光を帯びる蛇神、光に照らされた恋恋はフラッシュアウト。
◯つむぎ下校、帰宅道中。
繭「じゃねー、また明日〜」
つむぎ「繭ちゃん、また明日〜」
繭と別れるつむぎ。
◯芥見蛇神社
つむぎ「パパただいま」
父「おかえり、つむぎ」
神社の拝殿を掃除しながら挨拶を返す父。
つむぎ「ただいま帰りました、蛇神様」
本殿にむかつ向かって手を合わせるつむぎ。その様子を微笑ましく見つめる父。
父「そういえば、今日は不思議なことがあって、本殿から物音がして、久しぶりに扉を開けたんだが、何も異常は無かったんだ…」
つむぎ「?」
首を傾げるつむぎ。
父「もしかしたらネズミかも知れない…。殺生したくないから蛇神様のお許しを得て、忌避剤対応しなくちゃならないかも…」
ため息をつく父。
つむぎ「神に仕えるのも大変だね…。」
同情するつむぎ。
◯芥見家つむぎの部屋
ドアを開けて部屋に入るつむぎ。
つむぎ「ただいま、恋恋ちゃん!」
恋恋の水槽に目をやるつむぎだが、水槽に恋恋の姿はない。
つむぎ「恋恋ちゃん?」
恋恋を探すつむぎ。ふとベッドに目をやるとそこには色白で金髪の少年が裸で丸まって寝ている。
つむぎ「!!!」
驚きで声も出ないつむぎ。
謎の音(…ぎ。…ぎ。)
暗闇の中から不可思議な音がする。
謎の音(…ぎ。…むぎ。)
謎の音は少しずつ大きくなっている。
つむぎ(…ん、何の音?)
謎の音(…むぎ。…むぎ。…つむぎ。)
つむぎ(…!誰がが呼んでる!)
謎の声(つむぎ、つむぎ、聴こえるかつむぎ)
つむぎ(あなたは誰!?)
謎の声(お前には礼を返さねばならんな)
つむぎ(何のこと?)
謎の声(…すぐにわかる。さぁ、目覚めよ)
細く白い指がつむぎの頬を撫でる。そのまま意識は^_^遠のき、真っ暗な闇に覆われる。
◯芥見家つむぎの部屋・朝
雀の鳴く声、朝の日差し。目を覚ますつむぎ。寝ぼけ眼で夢を思い出す。
つむぎ(何だったんだろう、あの夢は…)
つむぎはベッドの横の棚に目をやる。そこには
ペットのボールパイソン(蛇)恋恋の水槽がある。
つむぎ「おはよう。恋恋ちゃん」
笑顔で朝の挨拶をするつむぎ。恋恋は舌をチロチロさせながらつむぎを見つめている。
つむぎは人の良さそうな丸顔で前髪がまっすぐ黒髪ボブの少女。恋恋は白地に黄色の模様が入り、目が赤いアルビノ個体。
つむぎはベッドから起きてパジャマから制服に着替える。黒縁の眼鏡をかけて恋恋に話しかける。
つむぎ「恋恋ちゃん、今日もいい天気だねー。私は高校に行ってくるね」
つむぎをじっと見つめる恋恋。
つむぎ「今日は2週間ぶりのご飯だからね、楽しみに待ってて」
ドアを開けて自室から出ていくつむぎ。
◯芥見家キッチン
階段を駆け降りて、キッチンに入ってくるつむぎ。
つむぎ「おはよー!」
ママ「おはよー」
ママはキッチンで朝食を作っている。
ママはやや茶色がかった長髪を横で緩めに束ねた髪型で、おっとりした柔らかい雰囲気を纏った美人の女性。薄茶色のエプロンをつけている。
ママ「つむぎ、もうすぐご飯できるから、境内の掃き清めをしてるパパを呼んできてもらっていいかしら?」
つむぎ「はーい」
◯芥見蛇神社境内
外に出て父を探すつむぎ。
つむぎ「パパーっ」
浄衣を身にまとい竹箒で境内の掃き清めを行っている父。優しそうな表情で静かに微笑みかけている。
パパ「つむぎ、おはよう」
つむぎ「本日も朝からご苦労様であります!」
パパ「ははっ、今日も元気だな、つむぎ」
つむぎ「ママがご飯できたよって」
パパ「ああ、ありがとう。すぐ行くよ」
つむぎが境内の蛇の石像を見る。
つむぎ「パパのお陰で蛇神様今日も綺麗だね」
パパ「ん?あぁ、今日も一番最初に磨いてるからね。」
キラキラした目で蛇神像を見つめるつむぎを見守る父。
パパ「つむぎは本当に蛇神様が好きなんだな」
つむぎ「蛇神様は綺麗でかっこよくて、凛としてて大好き!」
パパ「そうか、つむぎが蛇神様を好きでいてくれてパパも嬉しいよ」
つむぎ「うん!パパ、私、先にママのところに戻ってるね」
パパ「あぁ、すぐに片付けてパパも戻るとママに伝えてくれ」
つむぎ「はーい」
つむぎは駆け足で家に戻っていく。その背中を優しい微笑みながら見守る父。
パパ(私は代々この蛇神様を祀る神社、芥見蛇神社を守ってきた一族の末裔だ)
◯父の回想
パパ(今の時代に堅苦しい神社の倅に酔狂な女性もいまいとたかを括っていたが、素敵な女性にも出会うことができ、子宝にも恵まれた。娘の名前は『芥見つむぎ』。少し抜けたところはあるが、思いやりがあり、誰からも愛される自慢の娘へと成長した。唯一、びっくりさせられたのは異常なまでの蛇への好奇心。小さい頃からつむぎの遊び場はこの境内。蛇神像にはもちろん興味を持った。その後は私の仕事の手伝いをしたり、蛇神様の石像のスケッチをすることがお気に入りの遊び。野生の蛇に躊躇せずに手を出す気質には肝を冷やされた。)
父苦笑い。
パパ(小学校の高学年くらいの年になり、同級生のペット自慢が羨ましかったようで、ペットが欲しいとせがまれた。犬、猫、ハムスターくらいを想定していたので、蛇を飼いたいと言われた時は驚いたが、つむぎのこれまでの特性を考えれば妙にしっくりきた。蛇は飼育が大変と聞いていたので小学生では無理だろうと思っていたが、大人顔負けの博学ぶりで、見るだけを決め込んでペットショップに連れて行ったのだが、つむぎの話にペットショップの店員がしどろもどろになってしまっていた時の光景は傑作だった。)
父、思い出し笑い。
パパ(妻は元々、おおらかな女性であったため、蛇を買うことにはなんの反対もしなかった。)
回想ママ「つむぎちゃんなら大事に育てられるんじゃないかしら?」
パパ(私もつむぎの熱意と愛情を感じ、蛇を家族として迎え入れることを承諾。つむぎは最初から飼いたい種類があったようで、白地に黄色の模様が美しいボールパイソンという種類のアルビノ個体を選んだ。名前は『恋恋』。つむぎらしい心のこもった命名だ。メスなの?と聞くと多分?との答えだったが。)
父笑う。
パパ(食事や温度管理はとても大変と聞いていたが、つむぎはよく調べ、上手に飼育した。元々、玩具をあまり欲しがらない子ではあったが、恋恋を飼い始めてからはお小遣いはほとんど愛の飼育用品に使っていた。クリスマスのサンタさんへのお願いが冷凍マウス200匹のまとめ買いパックだった時は妻と一緒に腹を抱えて笑ったけ。)
◯芥見蛇神社境内
パパ(ちょっと変わった女の子にはなったものの、いい子に育った。将来が楽しみだ。)
父、蛇神像に視線を移す。
パパ(蛇神様のお力ですか?…なんてね。)
◯芥見家キッチン
父がキッチンの扉を開ける。
つむぎ「パパ遅いよ!私もう学校行くからね!」
パパ「あれ?もう食べ終わっちゃったの?」
目を丸くする父。
ママ「食事は今温め直しましたよ。私も仕事に行って来ますね」
パパ「もうそんな時間?」
ママ「つむぎちゃん、途中まで一緒に行こー♪
」
つむぎ「うん!」
つむぎと母がキッチンから出て行く。
パパ(今日は1人朝ごはんかぁ…。)
残念そうな父。
◯つむぎの学校、1年A組の教室
つむぎが教室に入る。
繭「おっはよー、つむぎ」
金髪の長い髪の毛でだるそうに机に突っ伏しながら挨拶をする親友の高瀬繭。
つむぎ「繭ちゃんおはよー。今日もだるそうだね。」
繭「学校ってダルいとこっしょ!いつも元気なつむぎの燃料を成分分析したいし」
つむぎ「ははっ、何それ?」
楽しそうに笑うつむぎ。
※学校でのシーンをコマ送りで見せる(授業・友人との交流・昼食等)
◯芥見家つむぎの部屋
不満そうな恋恋。
恋恋「つむぎちゃんはいつも『学校』という場所に出かけていく。そのせいで僕はつむぎちゃんと一緒にいられる時間を削られる」
謎の声「汝、好いた女と共にあることを望むか」
驚く恋恋。
恋恋「!」
謎の声「汝、好いた女と共にあることを望むのかと聴いておる」
恋恋「誰!?」
恋恋ちゃんの周囲が黒い亜空間に包まれる。
恋恋「!」
眩い白色の大蛇が現れる。
白い大蛇「わしはこの芥見蛇神社で祀られておる、蛇神じゃ」
恋恋「蛇神さ、ま?」
蛇神「如何にも」
蛇神様は舌をチロチロと出しながら話続ける。
蛇神「汝はつむぎを好いておるのじゃろう?」
恋恋「!」
頬を赤る恋恋。
蛇神「図星じゃろう?」
恋恋「だとしたらなんなのさ!」
ムキになって反論する恋恋。
蛇神「いつの世も蛇と人の恋愛とは難しいものよ…。わしがよく知っておる」
恋恋「蛇神様に何がわかるんだよぅ!」
蛇神「痛い程よく分かっているとも」
遠い目をする蛇神。
蛇神「そこでじゃ。汝にわしの力を貸してやろう」
恋恋「力?」
蛇神「さよう…。」
光を帯びる蛇神、光に照らされた恋恋はフラッシュアウト。
◯つむぎ下校、帰宅道中。
繭「じゃねー、また明日〜」
つむぎ「繭ちゃん、また明日〜」
繭と別れるつむぎ。
◯芥見蛇神社
つむぎ「パパただいま」
父「おかえり、つむぎ」
神社の拝殿を掃除しながら挨拶を返す父。
つむぎ「ただいま帰りました、蛇神様」
本殿にむかつ向かって手を合わせるつむぎ。その様子を微笑ましく見つめる父。
父「そういえば、今日は不思議なことがあって、本殿から物音がして、久しぶりに扉を開けたんだが、何も異常は無かったんだ…」
つむぎ「?」
首を傾げるつむぎ。
父「もしかしたらネズミかも知れない…。殺生したくないから蛇神様のお許しを得て、忌避剤対応しなくちゃならないかも…」
ため息をつく父。
つむぎ「神に仕えるのも大変だね…。」
同情するつむぎ。
◯芥見家つむぎの部屋
ドアを開けて部屋に入るつむぎ。
つむぎ「ただいま、恋恋ちゃん!」
恋恋の水槽に目をやるつむぎだが、水槽に恋恋の姿はない。
つむぎ「恋恋ちゃん?」
恋恋を探すつむぎ。ふとベッドに目をやるとそこには色白で金髪の少年が裸で丸まって寝ている。
つむぎ「!!!」
驚きで声も出ないつむぎ。
