「この切符にあなたの連絡先、書いてくれませんか?」
そう言って、私は自分の切符を差し出す。
彼は、クスッと微笑むと走り書きして渡してくれた。
自分の連絡先も渡したかったが、もう駅に着いてしまった。
「本当にありがとうございます!必ず連絡しますから!」
「楽しみにしてますよ、ヨリコホソノさん」
特急を降りた私は、ちぎれるほど両手を振りながら彼のことを見送った。
ひとり残された駅にて、私は彼の連絡先の書かれた切符を見つめた。
恩田俊彦さん、かぁ。
私は、彼のことを何ひとつ知らない。
一体、何をしている人なのか。
年齢は、恐らく私とそう変わらないだろう。
だが、私と同世代の男で、あんなにダンディな雰囲気の人は見たことがない。
同世代の男のことは、いつまで経っても子供みたいな感じがして、どうも好きになれないのだ。
尤も、私だって、人のことは言えないが。
そう言って、私は自分の切符を差し出す。
彼は、クスッと微笑むと走り書きして渡してくれた。
自分の連絡先も渡したかったが、もう駅に着いてしまった。
「本当にありがとうございます!必ず連絡しますから!」
「楽しみにしてますよ、ヨリコホソノさん」
特急を降りた私は、ちぎれるほど両手を振りながら彼のことを見送った。
ひとり残された駅にて、私は彼の連絡先の書かれた切符を見つめた。
恩田俊彦さん、かぁ。
私は、彼のことを何ひとつ知らない。
一体、何をしている人なのか。
年齢は、恐らく私とそう変わらないだろう。
だが、私と同世代の男で、あんなにダンディな雰囲気の人は見たことがない。
同世代の男のことは、いつまで経っても子供みたいな感じがして、どうも好きになれないのだ。
尤も、私だって、人のことは言えないが。



