テッペイ「なにがそんなにいいんだよ。」

友達「わかってないなぁ。ふとももは最高なんだから、このアリスちゃんも最高なんだよ」

テッペイ「そうかぁ?……あっ!そろそろ家帰らないと」

友達「ん。気を付けてな〜」

テッペイ「また明日!」

 急ぎ足で家へと帰る。
 帰り道、ポコポコとスマホがなる。
 画面には少し前まで付き合っていた女性からのメッセージが大量に並んでいる。
 この前もブロックしたし、一昨日は直接言ったのに。いつまでもメッセージを送ってくる。アカウントを作っては送ってくるポエムのようなメッセージ。
 正直めんどくさい。
 読み切る前に電源ボタンを押し込み、そのままポケットにしまった。

 

母親「おかえりなさいテッペイ」

テッペイ「ただいま母さん……っていつもより早いな。なんかあったん?」

母親「なにもないから早く帰るんじゃない。息子と一緒にいないなんてさみしいしね」

テッペイ「そっか。いつもありがと」

母親「最近は勉強一緒に出来なくてごめんね」

テッペイ「大丈夫だよ。むしろ中学生までの勉強を一緒にしてくれる親なんていないよ。ホントにありがと」

母親「テッペイ……嘘じゃないよね?」

テッペイ「嘘なんて付かないよ。昔からの約束だからね」
 
 母親はテッペイを強く抱きしめる。
 
テッペイ「……やめてよ母さん。バイト行けないじゃんか」

母親「ごめんね。じゃあ行ってらっしゃーい」

テッペイ「行ってきます母さん」

テッペイ「そういえば……父さんの見舞いはいつ行くの?」

母親「明後日よ。きれいな花を選ばないとね」

テッペイ「そうだね。じゃ、行ってきます!」

 父親は昔起きた火事で植物状態だ。
 そして、俺には妹がいた。もういなくなってしまづたんだが。
 もしあの世で元気なら嬉しいな。
 母さんはとっても強い人だ。あんなことになっても、前を向いている。俺だって負けられない。

 今日も一歩を力強く踏みしめる。
 それが、繰り返す日常なのだから。