泣き虫な悪い癖。
昔からそう。しょうもないことで泣いてしまう。
背後で作業をしている仙石先輩にバレないように、そっと涙を拭うと元の場所に戻った。
これでも精一杯の笑顔で悲しい顔なんて見せていなかったつもりだったけど
仙石先輩は私の顔を見た瞬間に眉間に皺を寄せて怪訝そうに、
「八尋さん、大丈夫?」
優しい声で聞かれた。
それにまた涙腺崩壊。
今日の私はいつも以上に泣き虫だ。
心配そうに見つめてくる瞳も信じられないぐらい優しい声も、全てが私を包み込んでくれたから耐えられなかった。
流れる涙を拭こうとした時に、
「八尋さん、本当にだいじょっ、────」
動きが止まった。
目の前で仙石先輩の動きが。
私の大量の涙を見た仙石先輩は驚いた顔をして、慌てたようにポケットからハンカチを取り出す。
そして私の涙を拭こうとしてくれた。
だからハンカチがあと数センチで肌に着く、なんてところで動きがピタリと止まった。



