彼氏から煙草を取るためには




「アイシャドウも泣いたり、擦ったら終わりだもんね。映画で泣いた時どうしようか迷って指で抑えるしかできなくて辛かった」



3メートル先にいる人の会話を盗み聞きなんて趣味悪いな、とも思ったが

この会話が少し私を救ってくれたことも事実。



いつも女子が話す度に私の事かな?なんてビクビクしていたけど、この2人には私なんかいない。



残りの30分はいつもより穏やかに過ごせたと思う。






閉館時間は17時。



ここは仙石先輩がひと言「もう終わりです」

そう言えばみんな出て行ってくれるから助かる。



でも今日はひとつだけ違った。





出口付近で閉館準備をしていた時に聞こえてしまったんだ。“どうせ冬也くん目当てだろ”なんて言う声が。



先週だったら聞き流せたと思う。でも今週の私の心にはどストライクに突き刺さってしまった。



きっとあの出来事があって心が豆腐ぐらいふやけていたんだと思う。



そんな柔らかい心には思いのほか深くまで刺さってしまったらしい。




私は別に仙石先輩目当てなんかで図書委員になった訳じゃない。ただ図書室が好きなだけなのに。




全員が出ていくと、涙が自然と出ていた。