仙石先輩を少しも1ミリも見ない。
防御率100%を目指す!
心の中でガッツポーズをした、その時。
────わかる。夏とか恐ろしいもん!
夏なんてくるな。と苦笑い混じりの言葉。
基本的には耳に入ってこないけど、この言葉だけははっきりと聞き取れたから無意識に視線を上げていた。
声の先には女子でふたり。手には雑誌があって何かを見てふたりで共感していた。
──知りたい。
不思議とすっごく何が恐ろしいのか知りたい。
耳をこれでもかと大きくするつもりで
神経を尖らせて聞き耳を立てていると。
「結局メイクって耐久性だと思うよ。
取れちゃったら意味ないし。マスカラとか汗かいて落ちてパンダになってたら最悪じゃん」
話の内容はメイクについて。
私はそんな会話が聞こえた瞬間、首を大きく縦に振っていた。
わかる、本当にわかる。
リップもご飯を食べる度に塗り直すのが本当にめんどくさいから耐久性で選んじゃう。
可愛い色とかも大事だけど、私は耐久性。
夏が怖いのもわかる、汗をかく恐ろしさは底知れない。



