わかりやすく落胆した私の姿にため息ついている姉。
私だって冬也のことで不安は尽きないけど疑ったって埒が明かない。
だから吹っ切れてきたけど、どうしても。
どうしてもタバコはやめてほしい。
これから冬也と100歳まで生きるために。
「とりあえず危険なことはしないでよ」
「そんなことしないよ……」
危険なことって、お姉ちゃんは冬也を何と思ってるのよ。
残りのアイスを食べ終わったら残った棒を捨てに行った姉を見送って私は部屋に入った。
床にかばんを置いたら
そのままなだれ込むようにベッドにうつ伏せになる。
いろんなやる気がどっか行っちゃった。
でも明日までの数学の課題やらないと。
なんとか立ち上がって、ひとまず部屋着に着替えたらかばんの入れっぱなしだったスマホを確認する。
そこには
『ちゃんと帰れた?』
なんてメッセージが数分前に届いていた。
あの人は私を怒らせたことを忘れてるのか?
それとも自覚してないのか?
どちらにしても、こんなメッセージを送ってくるなんて
───あーダメだ。許したくなっちゃう。
でも今回は許さないもん。
いつもだったら、無いはずのしっぽなんて振って
返事をしているけど
今回は未読スルーなんて武器を使うことにする。
冬也のことなんて一回忘れて、私はリビングに夕飯を食べに行ったのであった。



