どんな罵倒が飛んでくるだろう。いや、あの仙谷先輩だし罵倒はないか。
じゃあパシリかな?カレーパンかな?クリームパンかな?もしかして大人気のとろとろプリン?
なんでも覚悟して身構えていると
私の予想とは裏腹に、スっと私から視線を外したらゆっくりと口を開いて
「情けないとこ見られたね」
そう言って困ったみたいに小さく笑った。
それはそれは美しかった。
「君は彼女と同じクラスだったりする?」
「え、それは……」
「もし会ったらさ少し気にかけてあげてよ。本当に悪気なかったんだ」
仙谷先輩。
きっとそれは彼女の傷口に塩を塗りますよ?
なんてもちろん言えるわけなくて、思いっきり頭を下げたら猛ダッシュで逃げたのだった。
優しいからこそ、少し残酷な人。あの日私も知ったのだ。



