何も考えずに視線を桜の下へと戻して。
「──っ、!!」
ばち!と瞳がぶつかり合う。
人は驚きすぎたら呼吸を忘れるのである。ヒュッ、と嫌に喉がなって体がガチガチ。
バレた。
終わった。
私だったら呼び出されている所なんて絶対に見られたくない。でも仙谷先輩はしっかりと私に見られた。
サイアク、サイアク!!
なんで私足を止めたりなんてしたのよ!!しかも最初から最後まで全て見るなんて!!
非常識にも程があるでしょ!!
いくら告白慣れしている仙谷先輩だろうと見られたくない場面だってきっとある。
未だ私から視線を外さない仙谷先輩。多分、いや絶対に確実に怒っている。
私はほんの1週間前に入学してきた下っ端1年生、相手は学校の王子さまで3年生。
こんなの勝ち目なんてあるわけが無いのである。



