「嘘つきだ……」
「それは本当にごめん!!」
申し訳なさそうな顔を作って、パチンと両手を合わせて謝ってるけど私が欲しいのは謝罪じゃないもん。
「なんでもって言ってた……」
顔を下げて拗ねて見せると
思いっきり私を抱きしめてご機嫌取りに必死な冬也。
「それだけは許してくれない?
もう俺からタバコ取ったら何も残らないよ?」
「……タバコ臭いから離れてよ」
「う、そ、でしょ…」
嘘らしく落ち込んだフリをしている冬也の胸を思いっきり押して睨んで見せたけど効果はたぶんゼロ。
私の様子を見て困ったみたいに笑っている。
「…でもさ急にどうした…?」
「……だって。
冬也には長生きしてほしいもん。
…死ぬときに冬也がいないと嫌だ」
冬也にとっては急かもしれないけど
私はずっと考えていたこと。
それに冬也といたら部屋に染み付いたタバコの匂いが制服にもついてしまう。



