‎𖤐 ̖́-‬




────ピーンポーンっと。


チャイムを鳴らしたら数秒。すぐに目の前の扉が開かれて見えてくる王子様。




「…遅いから迎えに行こうかと思った」




壁に手をついて、うっとりするような王子様スマイルで見つめてくる男の子がひとり。


相変わらずの金髪をゆらゆら揺らして服装はシンプルめ。きっと大学に行ってたんだと思う。



服だけ見たら普通なのに、冬也が来たら衣装に早変わり。

都会のど真ん中のおしゃれな道をコーヒー片手に歩いていそう。




「迎えに来てくれてもいいよ」

「じゃあ明日は行くね。こんな可愛い子心配だから」




────と、一瞬でもどきっとしちゃう私は学習能力がすこぶる低いんだと思う。



ちがう!!
今日は例の“条件”について聞きに来ただけ!!

決して!冬也に翻弄されるために来たわけじゃない!