𖤐 ̖́-
「ゆっくり来て大丈夫だよ」
なんて私が言ってから、15分近くが経った。
放課後の時間の図書室は利用者は少なくて、私は運動部の掛け声が窓を通過していくのを静かに聞いている。
神崎くんはまだ当番には来ていない。
なんでもクラスでの仕事がまだ残っていて今日中にやらないといけないらしい。神崎くんは何かと頼りになりそう、責任感も強いし。
ホームルームが終わったすぐに三年の教室まで急いで来てくれて
「遅れます、すみません」とだけ伝えたら私の返事もろくに聞かずに駆け抜けていったっけ。
あれは相当忙しくて、合間を縫って言いに来てくれたよね。
結花は神崎くんのスピード感に笑っていたけど、私はいい子過ぎて感動してたよ。
いつもは神崎くんがいて、私の話し相手になってくれているから退屈なんて感じたことはなかった。
でもさすがに一人だと寝てしまいそう。でも一人だから寝たらダメだ。



